税金対策のための不動産投資は失敗しがち?

税金対策のための不動産投資は失敗しがち?

不動産投資が節税になる仕組み

どうしてこのようなことが起こるのかと言えば、それは不動産経営に関する「経費」の役割が大きいと言えます。
不動産投資を行っている時、投資対象となる物件を管理していくためには、様々な費用が必要になります。これらの費用は、すべて帳簿上は赤字の扱いです。例としては、管理費や修繕費、火災保険料、住宅ローンの利息分、減価償却費などがあります。また、固定資産税も経費のうちに含まれます。

これらの経費を家賃収入が大幅に上回っている時は、失敗どころか大成功と言えるでしょう。
しかし、もしも経費のほうが高くなってしまった場合でも、所得税や住民税はすべての所得を元にして計算されるため、赤字となっている分税金が安くなることになります。

また、もう一つポイントとなるのが減価償却費の存在です。
減価償却費とは、簡単に書けば物件の取得費用を耐用年数で割ったものだと考えることが出来ます。減価償却費は、毎年経費として計上することが出来ますが、これはあくまでも帳簿上だけの赤字であるため、確定申告の際には赤字になっていても、実際の収支としては黒字になっている場合があるのです。

失敗はどのように起こるか

失敗の一例を挙げてみましょう。
Aさんは、不動産投資のために6800万円のワンルーム・マンションをローンで購入しました。Aさんは、サラリーマンとしても働いていて毎年500万円の収入があります。また、この物件の耐用年数は34年で、減価償却費として毎年200万円を差し引くことが出来ます。
初年度は様々な経費がかかりましたが、約700万円の家賃収入があり、収支としては黒字になりました。

翌年は、入居者が減って家賃収入は400万円まで減りました。しかし、すべての経費を合わせると450万円となり、帳簿上では赤字となったため所得税が差し引かれることになりました。経費の450万円のうち、200万円は減価償却費です。つまり、帳簿上では50万円の赤字でも、手元には150万円のお金が残っていることになるのです。

Aさんに転機が訪れたのは5年目のことです。この年、家賃収入は200万円まで減り、修繕などで経費も500万円に上りました。これは300万円の赤字です。減価償却分の200万円を足しても、やはり100万円の赤字になっています。せっかく税金を安く出来たとしても、これでは大幅に収入を減らしてしまったことになります。

不動産投資で失敗しないためには

このように、節税だけを視野に入れて不動産投資をした場合、思わぬ失敗に陥ってしまうことがあります。
不動産投資とは、あくまでも売却益や家賃収入によって黒字を出すために行うものなのです。そこには、所有している物件をきちんと管理し経営するという、意識と心構えが必要になってきます。

不動産投資によって税金が安くなるというのは、あくまでも結果的なものだと言えます。
逆に考えれば、初年度から大きな利益を出さなくても、きちんとした管理運営を行っていけば、やがて大きな収入につながっていくと考えることも出来ます。減価償却などの経費の存在で税金を安く抑えることが出来る、というのは、不動産経営を行っていく上での法律上のサポートに過ぎないと思っておいたほうが良いでしょう。

売買によるキャピタル・ゲインを目的としている場合でも、居住者の少ない物件では評価が低くなりがちです。不動産投資をする場合には、節税や利回りといった紙の上での計算だけでなく、何よりも経営者としての視点が大切です。

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