コラム

発見コラム「田井の目」

不動産鑑定士の目線で見る世の中はちょっと違う?!

2010/05/09

”基地”は最有効使用なのか?

普天間基地問題について政府の対応のまずさが指摘され、総理大臣の進退問題にまで発展しています。

しかし沖縄県の基地対策課の資料を見ると、普天間基地問題は危険性の除去のため優先的に解決しなければならない課題ではありますが、たくさんある沖縄の基地の一つでしかないことがわかります。

そしてそれぞれの地域で騒音や振動、軍用機の事故や軍人の行為で地域住民が不安や不快な思いをして基地が移転されることを願っている方も多いと思います。

またその一方で基地がいつまでも存在し続けることを切に願っている方もいます。基地関連で働く人のことではありません。軍用地の投資家です。

軍用地の多くは民間の土地を政府が借りて地代が支払われています。
例えば普天間基地の場合、4,805千㎡のうち91%にあたる4,378千㎡が民有地であり、約3,000人の地主に対し年間66億円の地代が支払われています。
単純平均で一人あたり約220万円、㎡あたり1,500円程度です。

この軍用地が相続などで手放されるときに業者の手によって市場に出回り、お金に余裕があるけど基地の存在による影響を受けないであろう遠くに住む人も投資に参加します。

投資した土地は基地の中なので自分では使うことはおろか、見ることもできないかもしれませんが管理する必要性もなく、地代は毎年上がっていき、固定資産税は安く、返還した場合には一定期間補償もされるという様々な特典付きの物件です。

そしてその価格は支払われる地代と基地の移転の可能性という要因をにらみながらそれぞれに応じた倍率を指標に売買価格が決定されるようです。

このような有利な条件で支払われる地代が地域にお金を落とし、産業を振興させ沖縄経済の活性化を担っていることを指摘する人もいます。一部の移転先として考えられている徳之島でもこのような考え方をする人もいるかもしれません。

基地がどこにあるべきか?または基地そのものが存在すべきでものであるか?という大きな問題に対しては、私のような一介の鑑定士が判断できるような単純な問題ではありません。
しかし、もし基地の土地の鑑定評価の依頼を受けたら、基地が存在することによってその土地は高い収益性を発揮することになるので、最有効使用は軍用地として判断すべきでしょうか?
それとも土壌汚染の懸念があり、人口から考えて供給過多になってしまいそうな住宅地や商業地なのでしょうか?

現実の不動産の価格は鑑定評価基準には記載されていない「政治的要因」も加味して形成されていくものであることを痛感する問題であります。

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