コラム

発見コラム「田井の目」

不動産鑑定士の目線で見る世の中はちょっと違う?!

2011/07/18

安藤忠雄という人間

昨日は著名な建築家の安藤忠雄先生が田原市に来て講演をされるとのことで、名古屋から2時間弱かけて講演を聞きに行ってきました。

すこし遅れて到着した会場の田原市総合体育館は超満員でおそらく田原市内だけでなく、近郊市からもみえており子供から大人までまさに老若男女様々な参加者でありました。

お話しは氏の仕事上のエピソード、大震災の話し、現在の教育問題と多岐にわたり1時間ちょっとの時間が大変短く感じられました。

そのなかでも印象深いのは、氏の作品のなかでも初期に作られた代表的住宅建築の「住吉の長屋」についてのエピソードでした。

その作品は建築物に中庭があって、通風や日照を確保しているのですが台所やトイレに行くのにその中庭を通らなければならず、雨の日は家の中で傘をさす必要があり、冬は寒さでトイレに行くのも我慢しなければならないそうです。

そんな”使いにくい”家なのですが、「雨が降ったら傘をさせばいい、さむかったら服を着ればいいんです。家がなんでもしてくれると思たらアカンですよ」と安藤先生はお話しされていました。

氏のこの考えは一貫されていようで、いつも何かやだれかが自分にとって都合のいいことをしてくれたり快適な状態にしてくれるはずという考えを強く懸念されているようです。

また、学校づくりで植樹をしていたが木が成長してきたため子供たちの危険性を考えてやめるたり、水上に大きなオブジェを浮かべたら船が衝突すると危ないからやめるなど、危険を回避しようとするあまり、危険を知る可能性さえも失ってしまうことに対する怖さもユーモアを交えてお話しをされていました。

確かに今は、親がどうにかしてくれる、地域がどうにかしてくれる、国がどうにかしてくれると知らず知らずに他人に頼ってしまったり、なにもやっていないうちからリスクを懸念して、結局なんにもやらないというような傾向があるのかも知れませんね-。

震災復興、超高齢化社会、衰退する地方都市の街づくりなどの難題もリーダーの判断がどうのこうのよりもまずは自分がどうするかを考え、やってみることが解決の糸口なのかもしれません。

これどほ著名で多忙な氏が、正直申し上げて愛知県でもローカルな田原市にまで講演会に来て震災遺児育英会のためにチャリティの書籍販売とサイン会をする姿はまさに自分がなにができるかを身をもって示しているものであり、とても感銘を受けました。

氏は建築家でありアーティストであり社会教育評論もする、偉大で気さくな”大阪のおっちゃん”でありました。

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