• 田井の目

「FREE」→「広告付き鑑定評価書」???

2010/03/25

「FREE」→「広告付き鑑定評価書」???

遅ればせながら以前から気になっていたクリス・アンダーソン著のベストセラーの「フリー」を読んでみました。なるほど我々のいわゆる士業や不動産業にとっても参考となるというか、考えさせられることが多いです。

ネット関連を中心に、現在”無料”で提供することで、結局は大きなビジネスつながる事例がいろいろと紹介されて、今後はどの産業においてもこの無料化の波はさけられないと説いてます。

確かに、ネットで収集する情報は通信料は別として、無料で簡単に入手できてしまいます。従って、つまらない情報やコンテンツはタダでもいらないって状況ですよね-。分かりやすい例としてある人の書くブログが面白いと、ただでインターネット上で見れるのに、本にするとベストセラーになるとか。。。すなわちネット上で無料のコンテンツを配信する代わりに、大きな評判を得て、それが最終的にはお金になって帰ってくる状況が多いような気がします。

ただ、我々のような業種や不動産の業種が難しいのは、同じものが2つとして供給できないことです。つまり、本なら同じものを出版すればいいのですが、あるディベロッパーのマンションが評判になったとしても、一室一室位置や高さが違い、まったく同じものを再生産できないことがその理由として考えられますし、また、新しいものを1つ追加生産するにも、費用の低減があまりないこともその大きな理由として考えられます。

しかし、そーは言っていても”評判”や”知名度”という将来お金を生み出してくれると期待されるものを獲得すべく、いろいろな戦略を練る必要がありそうですね。

今現在、よくある例として、家賃を数カ月ただにするとか、一時金をただにするとかですが、これは”値引き”であって”無料化”とはちょっと違います。今後はより多くの評判をネット上にながしてもらうために、ちょと前に、どこかのリゾート地で半年生活してその様子をブログを書いて生活する人を世界中から募集して話題になりましたが、あんな風にマンションに住んでみた様子をツイッターでいろいろ書いたら、家賃は無料にするとかなんていう、まさに”フリーレント”をしてお客さんを呼び込むなんてサービスが流行りそうです。

我々士業はどーしたらいいでしょうかね。。。WEB上に無料で自分の調べたものを公開したり、無料セミナーや無料相談なんてのは一生延命やっていますが、なかなか次の一手が見いだせていません。このFREEの本の中の無料化の一形態として三者間市場、すなわち生産者と消費者の間に広告主がいるため無料でサービスを受けれるというのがあります(テレビや、無料配布の雑誌ですね)。

なるほど!その理屈でいけば、広告付きの鑑定評価書にすれば、依頼者からお金を頂かなくてすむフリーな評価書ができますねー。ってそんな風になるわけがないか。。。。

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