• 田井の目

PPCに参加して

2010/10/09

PPCに参加して

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もう先週の話になってしまうのですが、シンガポールに行った後、インドネシアのバリ島で9月25日から4日間にわたって行われた、PPCという国際会議に出席してきました。

それは、鑑定士や不動産カウンセラーが2年に一度集まるもので、前回は韓国、次回はオーストラリアと、汎太平洋の国内で開催地を転々と変えて行われています。

開催地にもよりますがおおよそ500人程度の参加者があり、日本からも50人弱ぐらい人が参加します。国際会議といっても、堅苦しく終日席について議論しているわけでもなくちょっとした観光メニューや親睦も深めるためのパーティーもあり、会議そっちのけで観光やレジャーにいそしむ方も少なくありません。

そんな会議ですか、今回私は、IFRSが我々の業務に与える影響についてスピーチをさせて頂く機会がありました。前述のようにお遊びで来ている方もいるのですが、中にはまじめな目的で来ている方も多くいて、その方々に満足をしてもらえるような内容を作るのは結構大変な作業で、私も相当な労力を投じました。

ほかに数人の日本人の方がスピーカーをして、やはり御苦労されたようですが、結果として小松さん(写真の左から2番目)が発表された内容が最優秀のスピーチに選ばれ、我々日本チームにとってはうれしくも誇らしい結果となりました。

彼の論文を読むと、原文でのレベルが私とはまったく異なっていました。このようなクオリティの高いものを作成できれば、言葉の壁はなんとかなるもんだな-と、自分のスピーチの稚拙さを反省する半面、妙な希望というか目標みたいなものも湧いてきて、いい意味で課題が残った会議でした。

それにしてもこのような国際会議に出て毎回感じることは、インドネシア、韓国、中国、シンガポール、台湾などの近隣諸国の参加者が若いこと、若いこと。日本のメインが50~60代であるのに比較し、おそらく平均でも10歳以上は若く、30代の方々がネイティブの人々に積極的に話しかけ情報交換を行っています。
我々日本人も一部の人はがんばっているのですが、絶対人数として少ないことやせっかく参加しているのに積極的な交流が見られないのは少々残念なとこです。

もっとも、高齢者が多いのは何も国際会議の参加者に限ったわけでなく、日本全体の縮図であります。それを強烈に意識したのは、帰国後に中部国際空港でトイレに入った時、「そうじのおばちゃん」を見てはっとしました。

インドネシアでもホテルでもたくさんのボーイやお掃除をする人がいましたが、皆若い青年であり、このような肉体労働を、高齢者がしているのを見ませんでした。もちろん、就業の形態や人口構成の違いもありますが単純に外国の人が日本に来て、肉体労働をしている高齢者を見た時、日本が「豊かな国」と感じられるかどうか甚だ疑問に感じられましたね-。

高齢化が進むのはどうしても避けられない事態ではありますが、常に次の社会や制度は作っていくのは若い世代です。我々鑑定士が社会に対する影響力なんて微々たるもので、国際会議といってもお遊び的な要素が強いことも否めません。ですがこれも立派な国際交流で、この会議に参加して得たちょっとしたきっかけや出会いがやがて大きな何かを産みだすわけですから、次回以降は我々40代世代や、より下の30代や20代の方々のより多くの参加を望みたいものです。

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