• 田井の目

百貨店の閉店とフードデザート

2010/02/03

百貨店の閉店とフードデザート

愛知のローカルニュースとしては松坂屋の岡崎店が1月末に閉店したのが話題となりましたが、最近とみに百貨店の閉店が目立ちます。

発表されているもので西武有楽町店、阪急四条河原店、伊勢丹吉祥寺店などそれぞれの街のランドマークというべきもので、これらが閉店してしまうなんてことはほんの数年前までは考えにも及ばなかったことです。

我々が調査を行う地価公示や地価調査もこれらのような百貨店は街を代表する商業施設として調査ポイントに選定されている場合も多いのですが、その永続性とかは今後検討する比必要があるかも知れません。

と同時に、気になるのは地方都市においては百貨店は地下で生鮮食料品を扱っているので、都心の居住者にとってはスーパーと同じ機能を有しており、それがなくなることはフードデザート問題の要因になりうることです。

”フードデザート”とは何やらおいしそうな感じもしますが、”食の砂漠”すなわち良質で安く生鮮食料品を買うことが困難な地域が都心においては発生してしまう問題だそうです。そうなると郊外にまで食料品を買いに行けない貧困層や高齢者層がインスタントやジャンクフードなどばかりを食べて健康を害してしまうこともあるそうです。

先日のNHKのテレビでこの問題を取り上げており名前を知ったのですが、私も感覚t的に理解できるところがあります。

私も現在は比較的都心に住んでいるので百貨店に食料品を買いに行きます。ですが、パンやチーズやワインを買っているわけではなく、普通のお肉やお魚や野菜なんですが、結構カートなどをひいて買い物に来ている高齢者もよく見かけます。おそらく単身で暮らし、車なども持たず(というより高齢で運転もできない)、郊外のだだっ広い店舗よりも近くにあってコンパクトで利便性のいい店で、十分に値段を吟味して買っているようであります。

名古屋でも都心にはいわゆるスーパーがなく、その一方で旧来から都心に住んでいる高齢者にとっては百貨店がスーパーであるので、これがなくなってしまうことはそうとうな不便をしいられることになるかもしれせん。

もちろんこの問題は地域の風習や慣習および生活様式などでも変わってくるものなので今後はいい解決法も見つかるかも知れませんが、地方として百貨店がなくなることはさびしいという感傷的な問題より、新たな社会問題の原因になるかもしれません。

そう考えると、もう少し百貨店の社会的公共的意義を見直してあげてもいいかもしれません。資産のオフバランス化を地方公共団体や地域の商業団体が推進するとか、固定資産税を減免するとか、なんらかの方法はないのでしょうか?

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