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不動産鑑定を使いこなそう!不動産鑑定事務所のサービスの選び方を徹底解説!不動産鑑定評価書・意見書・調査報告書の違いとは?費用の差は?

不動産鑑定士という「不動産価格査定のお医者さん」が発行する正式な書類が不動産鑑定評価書ですが、価格に対する判断を求めたい場合、より安い価格で依頼できる「意見書」もあります。

この記事では、不動産鑑定士が提供するサービスにはどのようなものがあり、依頼する際の注意点は何があるのか、不動産鑑定士の立場から徹底解説します。

不動産鑑定士に依頼して納品される書類は不動産鑑定評価書だけではなく、他にも目的に沿っていろいろなサービスを活用できることは意外と知られていません。

この記事を読み終わると、あなたの目的にピッタリの不動産鑑定士のサービスが分かります。

不動産鑑定士が提供するサービスにはどんな種類があるか

不動産の価格などを詳しく知りたい、相続・訴訟案件などに対応するために鑑定士に依頼しよう!という弁護士・税理士の先生は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、いざ依頼しようとしても不動産鑑定評価書以外のサービスも多く、ご自身の案件にどの書類が適切なのか判断できないことも多いと思います。

不動産鑑定士が提供するサービスには大きく分けて下記の3つあります。

  • 不動産鑑定評価書
  • 意見書
  • 調査報告書

このうちどれが適切なのか、しっかり判断する基準をもってから、信頼できる不動産鑑定士に依頼することをおすすめします。

そもそも不動産鑑定事務所に依頼する目的とは?

そもそも、不動産鑑定事務所・不動産鑑定士に有料サービスを依頼する目的は何でしょうか?

  • 借地権などに関する弁護士の先生の案件で、正当な土地価格が知りたい
  • 会計処理のための法人用資産の評価が必要
  • 地代の増額訴訟などで根拠資料としての鑑定が必要

上記のように色々な例があるかと思います。

これらのケースで不動産鑑定士が提供する書類はさまざまありますが、どれも共通しているのは「課題解決に適した資料・情報をお示し、解決のお役に立つ」ということです。

ただし不動産鑑定士に依頼して納品される資料も、その利用目的や使用方法にマッチしないと十分に有効なものとはなりません。

ですので、書類ありきで考えるのではなく、まず「どんな利用用途なのか?何を解決したいのか?」この部分を依頼する前にしっかりと考慮してみましょう。

不動産鑑定評価書以外にも依頼できる書類がある

やみくもにコストをかけて不動産鑑定評価書を依頼すればよいというわけではなく、それぞれの特徴を知ったうえでもっとも適した書類を依頼することがスピーディーな案件処理につながります。不動産鑑定評価書以外にも活用できる書類があるということは、ぜひ士業の先生方に知っていただきたい点です。

以下では、不動産鑑定士に依頼する際のサービスの選び方や特徴について、現役の不動産鑑定士ならではの視点で徹底解説していきます。

不動産鑑定士に依頼できる書類の特徴や費用、目的は?

不動産鑑定評価書

不動産鑑定評価書は、不動産鑑定士に依頼する際の王道ともいえるサービスです。

不動産鑑定評価書の特徴は以下のようなものです。

不動産鑑定評価書の特徴
・不動産鑑定評価基準に従って不動産価格を査定している
・不動産鑑定士が書いたレポートのみが正式な不動産鑑定評価書となる

不動産鑑定評価書の費用

不動産鑑定評価書の費用
・15万円程度~対応可の場合が多い
・高額なものだと百万円台にもなる

つまり、不動産価格判断のお医者さんである不動産鑑定士だけが発行できる診断書のようなものと考えていただければわかりやすいでしょう。

不動産鑑定評価書とはみなされないケース

不動産鑑定士でない人が書いたレポートはどれほど詳しくても、「不動産鑑定評価書」とはいえません。宅建業者さんや土地の値段にとても詳しい金融機関の人、税理士さんが書いたレポートは不動産鑑定評価書とはみなされませんのでご注意ください。

また、公的な鑑定評価基準に準拠して作成されていることが不動産鑑定評価書といえる要件なので、たとえ不動産鑑定士が評価を行っていても、ルールに則って評価していないケースについては鑑定評価書という名称が使えない場合があります。

例:市街化調整区域なのに市街化区域として価格査定するなどの場合

意見書や調査報告書

上記の不動産鑑定評価書としてはレポートが出せないけれど、不動産鑑定士の名において、なんらか価格に対する判断をしてほしいという場合に、「意見書」や「調査報告書」という形で対応することがあります。正式な不動産鑑定を依頼しなくても、その物件についての意見書や調査報告書の作成といった簡易鑑定を行うことができます。

意見書は、あくまでも参考書類であるため、裁判などの場面で使う資料としては適さない場合があります。しかし、「不動産の無料査定ではわからない点が多いけれど、正式な鑑定評価書を依頼するほどではない・・・」といったときには非常に便利な書類になります。

意見書の費用

・3万円程度から依頼可能

意見書はどんな時に便利なのか

不動産鑑定評価書より意見書が便利なケース

・土地や建物などの状況や現在の実勢価格を簡易的に知りたい場合

・不動産投資を行う際、マーケティングの参考にするために一定の価格水準を知りたい場合

・ある物件の不動産鑑定を行ってから時間が経過し、再評価として正式な鑑定書を補足したい場合

・不動産の再評価を行わずに、大まかな情報や価格について知りたい場合

意見書のメリット

意見書のメリットは、不動産鑑定評価書よりも柔軟な記載が可能になる点です。例えば、価格についても複数のシナリオを想定して資産価値を出すなど、不動産鑑定評価書では対応できなかった部分にも言及ができます。不動産鑑定評価書では決定する鑑定評価額は1種類ですが、調査報告書の場合には、「土地価格が10%上がった場合のアパートの資産価値」をシナリオA、「土地価格が10%下がった場合のアパートの資産価値」をシナリオB とするなど、現在の価値だけでなく未来についてのコメントができるのです。このほかにも以下のようなメリットがあります。

意見書のメリット

・法律で定められた複雑な手続きによらない分、報告を受け取るまでに必要な時間は短くて済む

・不動産鑑定評価ではルール上作成できないようなレポートにも対応できる

(例)現在は地下鉄がないが、10年後に地下鉄が出来た場合の地価上昇の予測などの意見を述べるのに活用できる

・意見書の記載内容は、不動産鑑定を行っている会社や事務所によって異なるので、自由な記載が可能

・複数の状態を想定した場合の不動産の価格を求めることができる

意見書のデメリット

意見書のデメリット

★得られる情報は限定的

参考資料としてなので、得られる情報はあくまでも鑑定評価書に比べ限定的なものになる

★正式な裁判などの場面では不適切

不動産の価格に関し、鑑定評価書は裁判所などに提出する正式な書類として利用できるのに対して、意見書ではこのような正式な場面では適切でありません。

(主張書面や反論の書面として活用する場合は別)

たとえ意見書を提出しても、対立する相手が正式な鑑定評価書を提出した場合、その方が「証拠能力が高い資料」と判断されます。よって意見書は社内会議で活用するなど対外的でない使用が中心となります。

コンサルティングサービスなど

上記の書類の他にも、不動産鑑定士は多くの場合「コンサルティング」という形で、不動産に関する様々な問題の解決方法の提案をしています。

口頭の相談もあれば、企業主催のセミナー講師や社内研修講師として知識や情報を伝えることもあります。

ただ様々な問題が絡み合っていて、税理士・弁護士の先生だけではどのような評価や調査やサービスを選択すべきか判断がつかない場合も多いでしょう。

そういった場合は、まずは不動産鑑定士に相談してから、コンサルティングという形で解決策を提案してもらうことをおすすめします。

不動産鑑定士に依頼するサービスの賢い選び方とは?

正式な不動産鑑定を行うためには、物件そのものについてだけでなく、経済や周辺環境など様々な事柄について調べる必要があります。

鑑定評価書の作成には、手間も時間も費用もかかるため、失敗なく依頼できるように、今一度不動産鑑定士のサービスの賢い選び方を解説していきます。

不動産鑑定評価書などの費用

不動産鑑定士に有料の書類を依頼する場合、どうしても費用が気になりますよね。

改めて費用の相場をまとめておきます。

意見書・調査報告書 3万円程度~
不動産鑑定評価書(通常) 15万円程度~

不動産鑑定評価書の報酬金額は、土地の種別や大きさ、付帯条件などによって大きく変わります。上記の金額はあくまでも最低料金の目安となりますので、まずは不動産鑑定事務所に見積もりを依頼するのが良いでしょう。

鑑定評価書の費用の決まり方についてはこちらの記事でも解説しています。

書類作成を依頼する目的や書類の利用用途

依頼する目的や利用用途をしっかり考慮しましょう。

不動産鑑定評価書にすべきか意見書にすべきかは評価の対象となる不動産と評価の条件、目的によっても違ってきます。従って依頼をするときには不動産鑑定士に対し、その内容や目的を正確に伝えることが大事です。この依頼時のコミュニケーションがいい評価を行ううえでの大切な第1歩となります。

特に、裁判所や税務署に提出する場合に使うときには意見書は効力がないことがありますので、注意が必要です。

この事例について次に説明していきます。

選び方を間違えると無駄になるかも?まずは相談してみよう

不動産鑑定サービスにはいろいろありますが、選び方を間違えるとせっかくの資料が無駄になってしまうケースも少なくありません。

意見書が補足資料として有効に使える場合とそうでない場合があり、このあたりは不動産鑑定士でないと判断がつきづらいです。

たとえば、不動産物件を相続した際、相続税の額に不満がある時には、不動産鑑定評価書を添えることで不服申し立てをすることができますが、意見書には法的な根拠がないため、こういった利用の仕方ができません。

しかし、現在売りに出している不動産がある場合、不動産鑑定評価書を補うものとして意見書を用いることができます。このとき、意見書は手元資料として交渉相手に対してのみ提示考えられます。

つまり、正式な書類や公示する情報として使うことはできないものの、閲覧者が限られている分には十分な根拠がある書類として利用することが可能な訳です。

このように利用シーンや状況によって資料の利用価値は大きく変わってきますので、まずは信頼できる不動産鑑定士に相談してみましょう。

どんな案件・書類にも対応できる不動産鑑定士を選ぼう

この記事では不動産鑑定士に依頼できるサービスとして、不動産鑑定評価書、意見書、調査報告書などの特徴や選び方について解説してきました。

案件処理の上で不動産価格についての情報が必要になったときにはじめて不動産鑑定士への依頼を検討されると思いますが、いざ相談した後で「その案件・その書類は対応外です」と言われてしまっては時間も無駄になってしまいます。

不動産鑑定士といっても得意分野や案件は様々ですが、どのような案件や資料でも柔軟に対応できる、実績のある不動産鑑定士に依頼することがベターです。

タイ・バリュエーション・サービシーズでは、豊富な実績がある不動産鑑定士の田井能久が、様々な案件に誠実に対応させていただきます。

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まずは無料相談から承りますので、お気軽にお問い合わせください。

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